基本的にあまり恐くはない映画だった。
恐がりな人はこの程度でじゅうぶん恐いんだろうが。ホラーに耐性がついている自分にはかなりぬるく感じる。
以下、ややネタバレありなので注意して読まれたし。
恐くない理由はすぐに気がついた。
敵のほとんどがヒロインを本気で殺しに来てないように見えるのだ。多分、物語を先に進めるためという物語上の都合で。
ヒロインは、謎のモンスターに襲われながらも、次から次へと未知の建物を探索していく。そりゃそれなりの動機はあるわけだけど。
進行が実にゲーム的である。
サイレントヒルの建物をヒントを探しながら巡るのだが、廃墟の小学校の机のひとつで見つけたタイルの欠け片とか、廃墟のホテルフロントのメッセージボックスに絵が残されているとか、実にこの手のゲーム的である。建物内部の構造がなぜか迷路っぽくなっているとかも。
人間型のクリーチャーの多くはおそらくダンサーによるもので、どこかスタイリッシュだったりする。
CGのクリーチャーはやや薄っぺらい印象もある。
映像自体はかなりよい。廃墟の街の映像は、なんの説明もなくとも不穏な雰囲気が滲み出てくる。
テーマとして親子の愛を据えているのはよくない。
ホラーは愛をテーマにした時点で七割方失敗だ。
収束は締まりがない。どうにも、パート2へ繋ぎたいイヤラシさがぷんぷんする。
話はわりとぐだぐだだが、映像は悪くないのでオススメ度は47/100点くらいだ。